ユニクロの浴衣2015 その2
皆さまこんにちは、かえる堂です。
2015年販売のユニクロ浴衣のことについて、続きです。
写真撮ったりなんやかんやしてるうちに数日経過・・・・・すみません。
ミシン仕立てにもいろいろあります
(腕前はさておき)和裁を嗜んでおりますもので、どうしても仕立て方に目が行ってしまいます。
現在、仕立て上がった状態で販売されている浴衣(=プレタの浴衣)は、ミシン仕立てだと思って頂いて間違いはないと思います。
「ミシン縫いなのは判るけど、仕上がりは同じなんじゃないの?」と思ったそこのアナタ!
違うんです!
ザッパに分けて
「ほぼ全てミシン仕立て」
「見えないところだけミシン仕立て」
に分かれます。
和裁の技術で、表地に糸が見えない(というか、縫い目が超細かいので見えにくい)「くけ」という縫い方があります。もちろん手縫いですよ。
縫い代や裾の始末等いろんな場所を「くけ」るのですけども、「ほぼ全てミシン仕立て」は、本来なら「くける」場所も全部ミシン仕立てで処理。だから、表地にミシンの縫い目が堂々と出ているのです。
「見えないところだけミシン仕立て」の場合ですと、背縫いや脇縫い、袖の中など見えない部分はミシン縫いなのですが、本来くける場所はちゃんとくけてあるので、表地にはとミシンの縫い目は見当たりません。前者に比べて手間がかかってるわけですね。
チェックポイントはいくつかあります。
袖口と裾、褄下
どの部分かというと
(手描きで失礼シマス。)
(※あとは身八つ口も当てはまるのですが、着てる時には見えないのでここでは取り上げません)
まず、ユニクロ浴衣を見てみましょう。
袖口
裾
はい、しっかりとミシンで綺麗に縫ってあります。端の処理にぬかりはありません。
次に、かえる堂が7~8年前にセールで9000円位で買ったプレタの浴衣。(元の値段はもっと高います)背縫いや脇縫い、袖の内側はミシン縫いです。
袖口
裾
ユニクロ浴衣と比べてみて如何でしょう?チョボチョボッとは見えていますが、目立ちませんね。
ちゃんとくけ縫いをしているということです。
変な色の糸を使用しているわけではないので、「遠目には判らないよね~」と気にしない人はOKだと思います。
私はハナっから普段着にするつもりだったので、今回については気にしない派です。
ちなみに、浴衣を反物からマイサイズに仕立てて貰う場合、「手縫いかミシン縫い、どちらにしますか?」とほぼ店員さんに聞かれることでしょう。この場合は当記事でいうところの「見えないところだけミシン仕立て」になります。でも一応念のため、ミシン目が表に出ないかどうかの確認はしておいた方が良いと思います。
衿の仕立て
正直言って、ミシンだろうと手縫いだろうと(よほどの粗悪品でない限りは)パッと見は大差がないところです。
が、とりあえず見ていきましょう。
ユニクロは外側も内側もミシン仕立て。
衿の裏側
衿の表側
判りにくいかと思いますが、本当にギリギリのところをミシン縫いしてます。違う意味ですごいミシン技なんじゃないかと思うような・・・・
もう一つの「見えないところだけミシン仕立て」のプレタの浴衣を見てみますと
衿の裏側です。
表側はミシン仕立て、内側はくけ縫いであることが判ります。(判りにくいけど)
確かに遠目には判らないんですが、着た時の、衿の身体への沿い心地が違うように思います。表側も内側もミシン縫いの方が硬い気がするのですが、これも個人的な感想で、 殆どの人は気にしていないのかも・・・・
掛け衿に芯が通せるか
(「くけ縫い」とは話が逸れますが・・・・)
浴衣は衿芯を入れずにそのままサクッと着れる気軽なものですが、芯を入れるとシャン!とした印象になります。
その場合、襟芯は掛け衿に入れますので「浴衣に衿芯通す派」の皆さんにとっては掛け衿の具合が気になるところ。
掛け衿というのはココ。衿が二重になってる部分で、「共衿」とも呼ばれます。
この部分の内側の縫目を切って(※切る場合は自己責任でお願いしますね!)、こんな風に襟芯を通すのです。
で。
え~、ここで「衿芯通す派」の皆さんに残念なお知らせ。
ユニクロ浴衣は衿芯が通せません!!
⇒2015.08.25追記:衿芯を別の方法で通すことが可能です
どういうことかと言うと、
「1枚の布を折って段差をつけ『掛け衿付いてますよ~二重になってますよ~』と見せかけてるだけの『なんちゃって掛け衿』」
なのですね。
すなわち、布の節約・・・というか「工夫」です。
ユニクロだからということではなく、リーズナブル浴衣によくみられることなので、そんなに珍しくはありません。
「衿芯通す派」としては、ユニクロさんには来年度からは「なんちゃって掛け衿」は一考して欲しいです。
芯を入れたら → 着姿がちょっと素敵に → 浴衣もよく見える →
「ユニクロ結構ええやん?」な印象でみてもらえる
につながるかもしれないし~
今回の柄が値段の割には結構良かったので、勿体ないなーと思うのです。
しかし世の「衿芯通す派」は少数派なので、ここは仕方ないところなのかもしれません。
裏側を見てみる
裏を見てみましょう。
まずは、「見えないところだけミシン仕立て」
ミシン縫いではありますが、縫い代はきちんとくけ縫いされてます。
反物幅の布を裁断してて、和裁の方法に沿った仕立てをしているものと推測されます。
このタイプですと、(箇所にもよりますが)ちょっとした寸法直しであればできるかと。
次に、ユニクロ浴衣
違いますね。縫い代が大変狭い!というか、つまんで縫って、縫い代を作ってるような印象です。
実はかつて、このタイプの浴衣をバラバラほどいたことがあるのです。その時見たのは身頃は「一枚の布を浴衣に見えるように縫い代を作ってある」もので、大変驚きました。
恐らくユニクロ浴衣も同じ造りであろうと推察します。
「出来上がりのカタチは浴衣だけども、仕立ててる方法は洋裁」なイメージでしょうか。
まとめ
2015年度ユニクロ浴衣は、柄は結構良く、サイズも1種類ながらも程々。
仕立てはリーズナブル浴衣の典型で特に驚くようなことは見受けられません。
まぁ値段からするとそんなに悪くないと思います。
今後、実際に着たり洗濯したらまた評価が変わるかも知れませんが、いまのとことはこんな感じです。
付属品の帯と腰紐は、既ににそこそこのものを持っている人にとっては、ハッキリ言って不要物です。私は早速、着付け教室の練習用にしました。腰紐は以前から愛用のモスリンを使うので、本っ当~に要らない・・・・自装の時の仮紐にするか、手作り裾除けの紐にでもしようと思います。
念のために言いますと、「ほぼ全部ミシン使用」はユニクロ浴衣だけではなくて、リーズナブル浴衣一般にもよくみられることです。
「商品をやすく提供できるよう工夫をしている」と捉えることもできますし、洋服のように、リーズナブル浴衣~高級浴衣、色々あった方が良いとも考えております。
ただ、購入する際には、知らないよりは色々知っていた方が絶対によいとは思うのですね。
ツラツラ書きましたけども、ユニクロ浴衣のコーディネートや実際に着用した感想、洗濯後の様子なんかも、覚えていたらアップしたいと思います。
続きはこちら
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
かえる堂では 着付け教室・着付のご依頼 を承っております。
詳しくはこちらをご覧くださいませ
↓↓↓